三栖一明を読みました

この本はインタビュー形式で書かれている、向井秀徳(ZAZEN BOYS、NUMBER GIRL)の半生を語った作品です。

2017年発行なのでZAZEN BOYSの『すとーりーず』発売の頃までが書かれています。MIYAさん加入前でNUMBER GIRLも再結成していない状態なのであと2年くらい待てばそこまでの詳しい話も聞けたと思いますが、その辺のことは最近のインタビューで色々語られているのでそっちを参考にしましょう。

 

まず紹介しなければいけないのが『三栖一明ってなに?』というところです。私はまた向井氏が新しい言葉を作った(もしくは引用した)のかと思いましたが、向井氏の高校時代の同級生の名前です。読み方は『みす かずあき』と読みます。

三栖氏はNUMBER GIRLやZAZEN BOYSのアートワークを担当した人物です。ジャケットはもちろんNUMBER GIRL結成前の向井氏のライブやイベントなどのフライヤーも関わっていました。NUMBER GIRLのジャケットは向井氏の漫画のイメージがあったのでてっきり一人で作っていたのかと思ったら、三栖氏と一緒に作っていたそうです。(もちろん作品によっては三栖氏のみだったり向井氏のみだったりするものもある)

既知の通りNUMBER GIRLはメジャーデビューに向けて福岡から上京し東京進出をしますが、その時も一緒に上京しています。それくらい向井氏と深い関わりがある人なんですね。自伝って自分のことを語るものですが、別の人物にもフォーカスしているのがとても面白いです。結構分厚い本なんですが、読み進めていくのが面白くて1日半ほどで読み切ってしまいました。

 

 

アナログならではの良さ


私が特に心を動かされたのがNUMBER GIRLの結成前後に作成していたフライヤーの作成方法です。紙に文字を印刷したものを切ったり貼ったりしたり、何度もコピーを繰り返して独特のスレた感じを出させたりと「なんかいいなぁ」と思いました。仕事柄なんでもパソコンで完結させてしまうので、こういうアナログの手法は20歳前後にバンドをしていた頃を思い出しました。その頃はジャケットはパソコンで作ることもありましたが、CD-Rのケースに合わせて手作業で切って封入したりしていたので。改めてアナログの良さみたいなものを再認識した気がします。読了後はなんとなく手作業でチラシをデザインしたくなりました(笑)

このことは効率を考えてなんでもパソコンでやってしまおうと思っている自分の中で大きなことでした。もし自分が今後バンドで何かデザインすることになったらアナログで作ろうと思います。

この本を購入するとたくさんのチラシが見ることができます。それだけでも楽しいですが、さらにどういう経緯でこのジャケットになったのかなども詳細にわかるのでとても楽しく読むことができました。

 

 

This is 向井秀徳


さて最後に向井氏のことにも触れます。

NUMBER GIRLもZAZEN BOYSも大好きなバンドなので向井氏の大まかなアーカイブは知っていました。だけどこの本はさすが自伝と呼ばれるだけありかなり詳細に書かれています。帯に「これは私のアーカイブ集である」と書かれている通り、失恋のことなども相手の名前付きで掲載されているのでかなりリアリティを持って読むことができました。

個人的にはNUMBER GIRL結成前の佐賀時代のことやZAZEN BOYS結成までの流れをあまり知らなかったのでその辺が読めてよかったです。

NUMBER GIRLのライブは見たことがあるのですが、ZAZEN BOYSはまだライブに行けていないので今度機会があれば是非見に行きたいですね。まずは12月に発売する『THE MATSURI SESSION』を楽しみに待とうと思います。

しかし向井氏はお酒飲み過ぎじゃないか…

 


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  • 1986年生まれのjavaプログラマー。28歳の時に7年働いた販売士からプログラマーに転職をする。常駐先を転々としながら日々生きています。