未経験プログラマー物語【第六章 リプレイス編③】終電に飛び乗る
プロジェクトが開始され1か月が経っていた。予定では設計書作成が完了し、開発に入っているはずだが設計書はまだ2/3ほどしか終わっていなかった。3か月後にはリリースの予定だが到底間に合いそうにない。
設計書が書き終えると哲矢PLと対面でレビューをするのだが
哲矢PL「この書き方だと日本語おかしくない?よくわからないと思わなかったの?普通こうやってかかないでしょ〜」
こんな感じでネチネチ言ってくる。作成者がの書き方が悪いのもあるが進捗が遅れているにも関わらずなかなかOKが出ない。その上具体的な改善点を聞いても「自分で考えてー」といった感じでどうも要領を得ない。
さらに哲矢PLのお手伝いをしている木場さんは何かと確認しなければ気が済まないらしく、よく「クロスチェックして」と指示してくる。
哲矢PLは相変わらず吉富さんへの当たりが強く、チャット上で吉富さんをボロクソに言っているのが流れてくる。吉富さんも目に辛そうだ。
半灰「吉富さん大丈夫ですか?」
吉富「はは、まぁー大丈夫です…」
こんな感じだ。
この頃には仕事が終わらず、終電に間に合うように帰る毎日になっていた。終電は0時10分なので23時50分頃に「もう帰らないと!」という感じでバタバタと帰る状況だ。幸い休日出勤は禁止されていたので休みはあるのだが毎日6時間近く残業するのは正直辛かった。
驚いたのはこんな状況でも哲矢PLは19時くらいになると「お疲れ〜」と帰るのだ。もはやチームの雰囲気はギスギスしてきてあまり良い状態ではなかった。
この状況を見てプロジェクトのリスケが決まった。
解説
リスケとは「リスケジュール」の略で「スケジュールを組み直す」という意味です。今回の場合ではスケジュール通り進んでおらずリリース日に間に合わないため、リリース日を後ろ倒しにしたということです。例えるならゲームの発売日が発表されているにも関わらず発売日が延びたのと同じようなことですかね。
基本的にスケジュールが延びると色々なところに迷惑がかかります。例えばリリース日から保守をするチームに引き継ぐ場合、リリース日されるまで保守チームの仕事がなくなってしまいます。その間保守チームはどうするのか。また、ショッピングサイトだとリリースが遅れることにより見込んでいた売り上げがたたなくなったり、リリースに合わせたキャンペーンなども考え直さなければならなくなります。場合によっては遅れにより損害賠償が発生することもあります。
このように「間に合わないなら後ろ倒しにすればいいじゃん」と簡単にはいかないのです。
今回はプロジェクトメンバーのスキルの低さに加え、PLの管理能力の低さも合わさりプロジェクトは崩壊に進んでいるように思います。大丈夫でしょうか…。