『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』を読みました
今更ですがthe four GAFA 四騎士が創り変えた世界を読みました。2018年8月に発売された本なのでもう少し早く読むべきでした。
この本の面白いところは連続起業家として9つの会社を立ち上げた経験をもつ著者のスコット・ギャロウェイ氏の独特な視点と主張です。企業側からでもユーザー側からでもない視点からGAFAをみて少数の企業が力を持ちすぎることの危険性を解いています。それらを非常に皮肉を込めた内容で書かれており、著者の考えがうかがえます。
例えばAppleは『ジョブズという教祖を崇める宗教』といい
男は種子をまき散らすようにできている。だから我々の中の原始人が、ロレックスやランボルギーニをーそしてアップルを欲しがるのだ。そして下半身で考える原始人は、人の気を引くチャンスのために多くの代償(法外な価格)を支払う。
ところで私は、高級品を買えば実際にモテるようになると言っているわけではない。何百万人ものiPhoneユーザーが一人で寝ているに違いない。しかし高級品を買うと感情のスイッチが入り、幸福や成功を感じさせるセロトニン量が急上昇する。おそらくそれで他人から見て魅力的に見えるのだろう。何度も引き合いに出して恐縮だが格安のデルではこうはいかない。
と主張している。Appleの製品をモテるためといい切り、デルは完全にとばっちりを受けているのが面白い。私もAppleユーザーですが、こういう視点もあるのかと気づかされました。また日本ではiPhoneはキャリアの割引が効いているためそこまで高額というイメージはないと思います。このように本国アメリカから見たGAFAを知れるのも良かったです。
GAFAに関してはそれぞれ1章ずつ書かれていますが、それ以降も章が続きます。例えば『NEXT GAFA』の章ではアリババ、テスラ、ウーバー、ウォールマート、マイクロソフト、AirBnB、IBMなどの名前を上げ、ビジネスモデルと未来を解説しています。今ではコロナの影響で日本でも注目を浴びたウーバーですが、スコット氏は以下のように課題を上げています
ウーバーはTアルゴリズムのほぼ全ての条件を満たしている。差別化された製品、ビジョンへの投資、世界展開、ビッグデータを扱うスキル。そうなるとウーバーの障害はひとつだけだ。しかしその一つは一兆ドル起業になるには重大な障害となる。それは好感度である。ウーバーはこの要素について2つの面から難題に直面している。1つ目は創業者でCEOのカラニックがゲス野郎であること。少なくともそのようにみられていることだ。
と書いています(ゲス野郎の部分は本書でも強調されています)。ここまで直接的な表現を使って他人をディスるのにも著者の思いが強く伝わります。
個人的に一番ためになったのは10章の『GAFA「以後」の世界で生きるための武器』でした。ここでは『大学に行く』『都市に出よ』『不満を口にしない』『あなたのスキルを評価してくれるところにいく』『セクシーな仕事は儲けが少ない』など仕事をする上でのアドバイスが書かれており、普通に役立ちます。今までの皮肉も出てこずここだけでも読んでおく価値はあると思いました。
冒頭でも書きましたがこういう類の本は発売してすぐに読むべきだと痛感しました。今後はタイムリーな内容の本は発売直後に読もうと思います。