未経験プログラマー物語【第五章 ECサイト改修編⑧】テストデータ作成という仕事
未経験からプログラマーになった半灰。そのため任せられる改修も比較的簡単なものになります。画面にテキストボックスを追加するとか、簡単な画面自体を追加するとかそういうものです。簡単な作業というものはあまり時間がかからないため開発も中盤になってくるとすでに改修が終わっていたりして手が空いてきます。そこで任せられるのがテストデータになります。
伝輪「半灰くん、自分担当の改修が終わったのなら結合テスト用にテストデータを作ってもらえるかい?」
半灰「テストデータですか?」
伝輪「そう。みんなが改修終わったら改修したものを全て合わせてテストをするんだけど(これを結合テストという)その時に様々なパターンのテストデータがいるんだよ。例えば今回は新しい「もしもしプランS」が追加になったろう?この場合、この新プランに加入済と未加入ユーザーのテストデータが必要になるんだ。2つのパターンで登録して問題ないかテストしないといけないからね」
半灰「なるほど。」
伝輪「テストデータはデータベースに入れないといけないからバックエンドチームと連携して作ってもらえるかい?テストケースは結合テスト担当者に言えばパターン表が貰えるからよろしくね」
解説
プログラマーではない人は開発作業が一番時間がかかると思いがちですが、実はテスト作業も開発と同じかそれ以上かかります。そしてテストをするために必要になるのが「テストデータ」です。今回の話では新しいプランに加入済のユーザーと未加入のユーザー2パターン必要となっていますが、現実はもっとたくさんのパターンが必要になることが多いです。
で、未経験や新卒の場合はできる作業が限られるためこのテストデータを作るというのを結構やることが多いです。現場によりツールを使って自動で作るところもあれば、手作業で作るところもありバラバラです。今回は手作業でデータベースにユーザーデータを入力するようですね。
ユーザーデータというのはこの場合だともしもしテレフォンを契約している人間になります。名前、住所、生年月日、年齢、どの機種を使っていてどのプランに契約しているかといった情報を登録することになります。学割などは年齢で加入できるかどうか判定したりするためたくさんの年齢パターンの人物が必要になります。
テストデータに不整合があると、当然テスト結果にも影響が出てきます。プログラムが悪いのか、テストデータが悪いのか判定しなければならずよけいな手間が増えることもあるためテストデータは軽視せずしっかり作成しなければいけません。
数日後
半灰「伝輪さん、テストデータ作成しました。今回は色々なパターンが必要だったので200ユーザーくらい作成しました。」
伝輪「おぉ、ありがとう。改修も順調に終わってマージしたから半灰くんにはそのままテストに入ってもらうよ。もしテストデータに不備があったらテストリーダーにひとこと断ってから自分で直してね?」